「カウンセラーをしているなら、悩んだりしないよね?」

友人から、こう言われたことがあります。
この考えはもしかしたら、カウンセラーに対する世の中のよくある認知の一つなのかもしれません。

カウンセラーは心の専門家である。
だから自分の心もしっかりと把握して健康な状態を保っているはず。

確かに、ごもっともな考えではあります。
しかし先ほどの「悩んだりしないよね?」という問いかけに対しては、私の場合「悩むこともあるよ」というのが答えになります。

カウンセラーだって、カウンセラーである前に一人の人間です。
生きていれば色々な刺激を受けて悩んでしまう事もあるのです。

ただし、そのまま悩みを放っておくことはしません。

悩んだり、自分の中で何かスッキリしない時には、ちゃんと心を整えるための対処を取ります。
その方法は個人によって様々でしょうが、私の場合は一つとして「自分に心理療法を試みる」という事を行います。

例えば対人関係において、コミュニケーションが上手くいかなかったなと思った時。
私は自分の価値観(物事はこうあるべきという自分なりの考え方)を見つめ直します。

そんな時に有効なのは、最近の記事でもお伝えした「認知行動療法」です。

出来事(刺激)に対する結果(反応)には、その間に自分の価値観による物の捉え方(認知)の影響があります。
価値観による物の捉え方(認知)を見つめ直し、その価値観は偏りのないものなのか検討し、必要であれば変容する。

つまり「認知行動療法」とは、自分自身の考え方を今までよりも少し柔軟にするための試みと言えます。

別の試みとしては、自分の先生や先輩カウンセラーにカウンセリングをお願いするという方法もあります。
カウンセラーが自分の心を整えるために受けるカウンセリングの事を「教育分析トレーニング」と言います。

悩みや心の状態によっては、自分で自分に対処するより「教育分析トレーニング」を使って客観的に自分の心と向き合う方が効果的な場合もあります。

こんな風に、その時の自分の悩みや心の状態に合わせて、私は自分への対処法も変えています。

大切なのは「悩まない」ことではなく、自分の心をきちんと見つめて「悩みを放置しない」こと。

そのためにセルフケアと教育分析トレーニングを上手に活用し、いつもカウンセラーとして心を整えた状態でクライエント様に向き合いたいと私は思っています。

未来の私へ。あなたは今、自分の心をちゃんと整えていますか?


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